企業インタビュー

TDK インタビュー

2026年6月12日

TDK株式会社では、社員のスキルアップを積極的に支援し人材教育を推進しています。CPE資格も毎年、多数の方が受験し、多くの有資格者が生まれています。秋田県の稲倉工場にて、CPE資格取得者であり、生産技術部門の人材教育も推進されている阿部課長と関口係長のお二人にCPEへの取り組みについてお伺いしました。

稲倉工場 マグネティクスBG 生産技術統括部 生産技術企画課 課長 阿部 幸希 様(写真左)

稲倉工場 マグネティクスBG 生産技術統括部 生産技術企画課 人材育成係 係長 関口 康剛 様(写真右)

※以降敬称略、所属・役職はインタビュー当時

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目次

生産技術の「正解」を求めて。「生産技術の業務範囲はどこまでか?」現場で感じた課題感

まずはお二人の役割と、CPEを知ったきっかけや導入の背景についてお伺いできますか。

阿部 我々の部門では、弊社の主要部品の1つであるインダクティブデバイス製品(インダクタやトランスなど)の生産技術を担当しています。現場の改善活動から設備の導入、海外拠点への支援に至るまで、生産技術の業務は非常に多岐にわたります。関口はその中の企画部門で、人材育成のリーダーを務めています。

関口 私は入社当時から別の部門で生産技術の業務に携わっていました。しかし、担当者レベルで業務の線引きや判断基準が異なっており、業務の抜け漏れや過剰な作業が生じていました。そのため、「生産技術の業務範囲はどこまでなのか」を明確にしたいという思いが根底にありました。その後、現在の企画部門へ異動した際にCPEの活動を知り、「自分が疑問に思っていた部分を網羅している教科書のようなものだ」と説明を受けたことが、CPEを知る大きなきっかけとなりました。

阿部さんは、まずご自身で受験されたとお聞きしました。

阿部 最初のきっかけは5年ほど前のことです。私自身は元々、製造プロセスを開発・改善する製造技術的な業務に従事していたため、自分自身を生産技術者だとは認識していませんでした。しかし生産技術部門の企画を担当することになり、「まずは生産技術の正しい知識を持たなければ企画や戦略の立案はできない」と考え、調べる中でCPEを見つけました。この資格に本当に価値があるのかを見極めるため、まずは自分が取得して業務に活かせるか挑戦してみました。当時のメンバーも巻き込んで取り組んだ結果、自分たちの仕事の「答え合わせ」になっていると実感しました。当時、部門内の人材育成が属人化しており体系化されていないという課題があったため、共通言語や共通認識を持った上で人材育成を進めるべく、部門への導入を提案しました。

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率先垂範で組織を動かす!独自の学習法と社内普及の仕組み

CPEのテキストはかなりのボリュームがあるかと思いますが、勉強を進める上で工夫された点はありますか。

関口 最初にガイドブックを見た時は、そのボリュームの多さに驚きました。私は自身の学習スタイルに合わせ、テキストの総ページ数を受験日(3ヶ月後)までの日数で割り、「最低でも2周はしよう」と計画を立てて日々読み進めました。元々現場で仕事をしてきたため、自分の業務経験と直結する部分はスムーズに理解することができました。一方で、人材育成やリスクマネジメントなど、現場で触れる機会が少なかった分野については理解が浅かったため重点的に読み込みました。

阿部 私の場合はセオリー通りの学習法です。スキルスタンダードを見てチェック表を作成し、自分の弱みを見極めました。その上で、弱い部分は3周、強い部分は2周しようと計画を立てました。3ヶ月後の試験日を先に予約し、そこから逆算してスケジュールを進めました。毎朝決まった時間に30分から45分ほど学習時間を確保し、日常の習慣として取り組みました。

CPEを広めていく上で、「やらせる」のではなく「自らやる」という風土が大事だと感じます。モチベーションを上げるための工夫は何かされていますか。

阿部 私が当時の部長に「これをやりましょう」と提案したところ、部長自身も「やる」と言って試験を申し込んでくれました。それが周囲の「部長も受験するなら、自分もやらなければ」というモチベーションの向上に繋がりました。また、各セクションのマネージャーが「まずは自分が取得し、有効だと思わなければ部下には推奨しない」と、率先して取得してくれたことも大きかったです。他社の事例も参考にしつつ、合格者一人ひとりに部長からのメッセージを添えた賞状を授与するという取り組みも始めました。

関口 有資格者が増えたことで、部門内でも良い動機付けがなされています。今年度からは正式に、CPEを「生産技術部門の推奨資格」として明言しました。メンバーからも「一つの指標ができ、目指すべき方向が明確になって良い」という声が上がっています。

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実務に直結するCPE。共通言語がもたらす自信

生産技術者や現場の皆さんにとって、CPEの取得はどういった効果をもたらしていますか。

関口 生産技術の仕事は幅広い一方で、担当者は一つの専門性を尖らせていく傾向があるため、知識が偏りがちになります。そうした技術者がCPEを通じて一般的な基準を知ることで視野が広がり、「本来の仕事の進め方はこうあるべきだったのだな」と再認識することができると考えています。自分個人の経験だけで判断するのではなく、幅広い知識を持った上で客観的な判断ができるようになってきていると感じます。

阿部 私自身がそうであったように、「これまで行ってきた実務の答え合わせになっている」と感じるメンバーが多いようです。生産技術の資格として明確に位置付けられているものは他にないため、個人の自信にも繋がっています。基本的な知識を身につけて業務に臨むことで、これまで以上に質の高い仕事ができるはずです。共通認識のもとで業務を進めるための土台作りの一つになっています。

海外拠点の支援などでも活用されているのでしょうか。

阿部 私自身、普段から実務でこのテキストを活用しています。戦略を練る際など、「セオリーに立ち返る」ために非常に有用です。特に海外へ赴任するメンバーには、テキストに記載されている「駐在者はローカルメンバーと同じ目線に立つべき」という内容をメッセージとして送っています。そもそもCPEを導入した目的の一つに、「正しい知識を持って海外業務に当たる」ということがありました。支援する立場だからこそ、確かな知識を持って指導しなければならないという観点でも大いに活用しています。

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今後の展望:CPEを生産技術部門の「全社共通指標」へ

CPEを普及していく中での課題や、現在取り組んでいることはありますか。

阿部 新入社員には、入社時にCPEの専門用語を学んでもらっています。マネジメント手法を習得させるというよりは、生産技術の役割の広さや基礎知識に触れるための入り口として活用しています。関口が概要を説明し、「1年間で取得しましょう」と動機付けを行うことで、現在ではほとんどの新入社員が資格を取得しています。こうした若手の姿を見ることで、中堅メンバーも「自分たちも取得しなければ」と刺激を受けてくれることを期待しています。

最後に、これからの展望やCPE資格の活用についてお聞かせください。

関口 生産技術に携わる全員が取得すべき資格だと考えているため、引き続き部内で推進し、「我々の部門の生産技術担当者は全員CPEを持っている」と言えるレベルまで普及させたいです。また、生産技術の方針を決定するマネージャー層や、自身の立ち位置を振り返りたい中堅社員にもぜひ挑戦してもらいたいです。

阿部 改めてスキルスタンダードを確認し、実務において非常に有用だと感じました。現状では部門ごとに力量を評価する項目が異なりますが、このスキルスタンダードを基準とすることで、全社共通の評価項目を構築できるのではないかと考えています。生産技術部門としての基礎技術力やスキルを測る指標として、今後さらに活用していきたいです。