CPE生産技術者マネジメント資格は、生産技術者として必要とされるマネジメントスキルの能力をより明確にするために、 2019年1月期の試験から名称が「CPE」から「CPE-B級」に変わります。
「CPE-ME」は、2019年11月期の試験より、「CPE-A級」とし、生産技術分野のプロフェッショナルとしての総括的なマネジメントを身に付けていることを証明します。
※すでにお持ちいただいている資格の価値が変わることはございません。

富士フイルムインタビューその2|生産技術のマネジメント層に必要な観点とは?

(聞き手:日本能率協会 理事 衛藤達夫 CPE事務局 安部武一郎)

技術者としての承認を得られたという”安心感”

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安部:
受験後、ご自分の中で何か変化を感じたことはありましたか?

岩崎:
ありましたね。うまく言えないのですが、技術者として、あるいは生産技術者として、承認を得られたというような”安心感”を感じた思いがありました。まず気持ちの変化があったと思います。
つまり、生産技術って成果を出すために最適化をねらう技術なんですよね。そのためには、なんでもやるし、なんでも作るんです。地面に図面広げて現場で奔走している姿は、世の中のホワイトカラーの技術者のイメージとはちょっと違った感じがありまして「自分は本当に技術者なんだろうか?」と感じたりすることもありました。(笑)
これまでも、様々なプロジェクトに参加するなかで、いつも生産技術者の立場として呼ばれるわけですが、実際にはやることがいつも違うわけですよ。要素研究や基礎研究をすることもあれば、設備の立上げばっかりやってたこともありました。与えられた役割をこなす便利屋とでもいいますか。
けれども、生産技術者マネジメントガイドでは、生産技術者の領域がはっきり定義されていて、今までやってきたことはまさに生産技術者がサポートすべき領域だったんだと言ってもらえて、非常に腑に落ちる面がありました。こういうのを専門性の自己承認とでもいうんでしょうか。

椎野:
確かにそうですね。開発段階~生産~物流まではいりこんで全体最適をしていきましょうという感覚は、我々の実務に非常にマッチしていると思います。

衛藤:
色々な企業の方とお話する中で、近年生産技術者の役割と地位は非常にあがってきている印象があります。初歩的研究では実現できても、安くて品質の高いものを速く市場にださないとビジネスとしては成立しませんから。それにグローバルマーケットをターゲットにしていると生産量が飛躍的に増えてきますので、リコールとかクレームの打撃が大きい。その意味でも全体最適を見られる立場はとても重要ですよ。
それから、生産技術面での先行技術開発が商品化のトリガーとなる面も見られてきています。やはり生産技術者は非常に重要な存在になっていると思いますよ。

坂神:
生産技術のマネジメント層には、こういう観点が必要なんだなと感じるようになりました。例えば工場をつくるという広い見方など参考になりましたね。これまで情報処理の勉強はいろいろとやってきましたが、情報システムの価値はなかなか分かってもらいにくい面もあり、きちんと情報システムの位置づけをしていただいている点はいいなぁと思いますね。

安部:
他に何か役に立った点はありましたか?

岩崎:
受験後も、生産技術者マネジメントガイドが手元に残っていると、何かと参照するのに役に立つと思いますよ。

安部:
うれしいですね。生産技術者の方々の机の上に、生産技術者マネジメントガイドが置いてあり、ふと何かを疑問に思った時にそれを手にしてもらう、というのが事務局の理想のひとつなんですよ。

岩崎:
一般的に使われている言葉ではない社内用語というものがありますが、生産技術者マネジメントガイドで使われている言葉を使うと社外の取引先の方に話が通じやすいとことが分かってきました。これまでは、社外の方が社内用語につきあってくれていたんだなぁと思いましたね。
VE手法など、かつて勉強していたことを復習する機会にもなりましたから、部分的に勉強していたことを体系的に考えられるようになったりもしています。

松村:
原価計算をする機会があった時に、もちろん社内の原価計算のやり方はある訳ですが、テキストを見ながら一般的・常識的な基本形と対比できたのが役にたちましたね。幅広く網羅的に書いてあるので知識のヌケモレを防げると感じました。
用語に関しては、例えば設備立上げ時の「初期流動期間」という言葉などは、自分自身ではほとんど使わない用語でしたが、実際にその概念で自分の業務を見直してみたら、確かに該当する期間があり、頭の中を整理できました。

坂神:
こういう生産技術者マネジメントガイドというテキストがあって、生産技術の基本的がわかったうえで、実務でコミュニケーションをとると話が通じ合いやすいんだろうなと感じますね。
それから、生産技術者マネジメントガイドには読み物として「なるほどなぁ」というエピソードがいくつもありましたね。例えば、海外拠点で生産がうまく立上がらないと日本に帰ってこられなくなってしまうとか、情報システムも業務改革の観点から構築に入るといった話など、頭にすんなり入ってきましたね。実際にいろいろ参考になると思いますよ。

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