生産技術者に求められる3つの役割とは?(CPEコラムその1)

CPEコラムその1

なぜ「生産技術者の育成」が経営者にとって急務なのか?

日本能率協会の経営課題実態調査によると、生産分野における経営者の課題として「生産技術者の育成」が第一に挙げられています。

その背景として、生産の急速なグローバル展開、商品ライフサイクルの短命化、販売価格下落による一層の製造コストダウンなどが考えられます。

今日の経営環境下において生産技術部門が抱える課題と解決策

自然資源が乏しい日本では、輸入した資源に価値を加え、輸出することで戦後の繁栄の礎を築いてきました。

近年では市場を世界に求めて、また、より安く製造することを目的として、アジアを中心にグローバルに工場を展開しています。

しかしそこには、国内工場では当然のこととしてできていた品質の維持、納期の遵守、改善活動による
製造コストダウンが、海外工場ではままならない現状があります。

ここで重要な役割を果たすのが生産技術者です。

生産技術者は、商品企画・設計、設備設計、工程設計、製造、物流という製品ができる一連の流れの中心にいます。
そして、その生産技術業務のマネジメントによって、製造品質やコスト、納期が決まります。生産技術者には、商品の企画段階から設計情報を製造工程に反映させるための方法を提案して、お客さまの要求を実現させる高い生産技術力が期待されています。

生産技術者に求められる3つの役割

  • 製品の企画・構想を工場で具現化・量産化するための「生産プロセスの設計・改善」
  • それを実行し日々の製造活動を支援する「量産工場の維持・改善」
  • 商品の開発・設計から生産技術が関与する「開発プロセスの革新」


    の3つが生産技術者に求められる役割です。

    非常に広範な業務への関わりが求められており、それぞれに深い知識が必要とされる重要なポジションです。

    しかし、これまで生産技術者にはあまりスポットが当てられてこなかったのも事実です。

    従来は開発・設計を行った後に製造工程を考える時間的余裕があったため、難しい設計であっても、
    製造現場の「高い技能」を伝承するゆとりや、技能における「カン」「コツ」をOJTで伝えてこられたからです。

    現在では、短い時間で商品を開発し、世界同時に製造を立ち上げることが求められています。
    生産技術者が中心となり、製品の競争力(QCD)を向上させることが、すなわち企業の競争力を
    決めることにつながっています。


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